セリフにリアリティを持たせよう
どうも、RinDaです。
今回は「リアリティ」についてのお話です。
リアリティといっても、表現の仕方は多様です。
役作りで作ることもあれば、声質で作ることもあります。
この記事では、その多様な方法の中でも
カンタンで汎用性の高い方法をご紹介します。
最近長い記事ばかりなので、なるべく短くまとめていきたいと思います。
それでは、「セリフにリアリティを持たせよう」スタートです!
目次
人間の行動の分類
人間の行動は大きく分けて二つしかない。
それが「アクション」と「リアクション」です。
「アクション」は他人や状況に対して作用する行動のこと。
「リアクション」は他人や状況の変化に対して反応する行動のことです。
考え方によっては、「行動の全てがリアクション」だと言えるのですが、今回は二つにさせていただきます。
台本ではこの二つを繰り返して、ストーリーを作り上げていると言ってもいいでしょう。
重要なのは
では、セリフにリアリティを出すために重要なのはどちらでしょう?
それは「リアクション」です。
もちろん、「アクション」に工夫を凝らしてリアリティを追求することもできますが、「リアクション」の方から手を付けた方が僕はいいと思います。
理由としては「リアクションは省略されることが多い」からです。
例えば
雫 「ねえ、太一」太一「……なに?」
雫 「私ね、海に行きたいんだよ」
太一「嫌だ」
雫 「えー、なんで! こんなに何度もお願いしてるのにさー!」
太一「バッカ、お前。暑いし遠いし人多いし」
「いいことなんか何もねえじゃん」
というセリフがあったとしましょう。
雫のセリフがわかりやすいですね。
一つ目は純然たるアクションで*1
三つ目はリアクションの後にアクションがありますね。
ただ二つ目は「アクションだけに」見えますよね?
これがリアクションの隠させたセリフです。
この二つ目のセリフを言うためには、太一が返事をするなり、太一がこちらを見て目が合うなりしないといけません。
そう、太一のアクションを受け取らなければならないのです。
そして、それを受け取った時、雫がどうリアクションを取るか?
私が雫なら「微笑む」と思います。
海水浴をねだるわけですから、ある種の「媚び」が発生するはずだと思います。
このように「リアクション」が明記されているセリフとそうじゃないセリフが存在しています。
太一の方にもそれは存在しているので、良かったら探してみて下さい。
セリフに適用する
では、見つけたリアクションをどう処理するのか?
方法は二つあります。
- アドリブを入れる
- セリフの頭に含める
1.アドリブを入れる
「アドリブを入れる」と言っても「セリフを付け足す」訳ではありません。
ここで求められているのが「感嘆詞」です。
感嘆詞とは、笑い声や鳴き声など感情を表す音であり、文字としては表記しにくい言葉。台本に書かれる場合は、それに近しい音で書かれることが多いです。
よくあるのは「ふっ……」とか「ああ」とか「ん~」とかそんな感じのセリフです。
これをアドリブとしてセリフの頭に付けます。
さっきの例えにつけるなら
「フフッ、わたしね、海に行きたいんだよ」
って感じですね。
これが入るだけでセリフのリアリティが上がります。
簡単でしょ?
2.セリフの頭に含める
では、すべてのセリフの頭にアドリブをつければいいのか?
そういうわけではありません。
そもそも、「感嘆詞」というものが存在しているのに台本に記されていないとはどういうことなのでしょうか?
それは、「必要ないと思われている」か「極小過ぎて考慮されていない」だと思います。
あと単純に芸術的に「くどい」ですよね。
その場合は「セリフの頭に含める」という手段を使います。
さっきのセリフなのであれば、「私ね」というワードを「フフッ」という微笑のニュアンスで口にするということです。
これは文章では説明しづらいのでこれ以上は割愛しますが、作品内ではよくあることなのでぜひ探してみて下さい。
まとめ
- 行動は「アクション」と「リアクション」に分けられる
- 「リアクション」は隠されている場合がある
- 隠されたリアクションは「感嘆詞」として表現する。
- アドリブにするか、セリフに含めるか、二通りの方法がある
- アドリブは分かりやすいが多用は出来ないので注意
というわけで、「セリフにリアリティを持たせよう」でした。
このリアクションを考えられるだけで、演技を掴みやすくなる方が多いのではないかと思います。
しかも、付け加え方も比較的簡単なので、是非研究してみて下さい。
ちなみにこの記事では「隠されたリアクション」と書きましたが、実際はそうではないと私は思っています。
それは文中でも触れましたが、「全ての行動はリアクションだ」というのがおおむね正しいからです。
ですが、これはまたの機会といたしましょう
ではまた。
RinDa
*1:厳密にはリアクションがある