言葉に記憶をつける

どうも、RinDaです。

 

今回は「文字を読まないためのキーワード」の一つ

「言葉に記憶をつける」ことについて書いていこうと思います。

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「文字を読まない」ための対策の中で一番シンプルでインスタントなのが「言葉に記憶をつける」です。

 

ですがシンプルであるが故に、とても奥深い技術なので甘くは見ないで下さいね。

 

では「言葉に記憶をつける」とはどういうことなのか?

 

稚拙な文章になりますが、解説させて頂きます。

 

目次

 

無意識の記憶

 人間はだれしも、無意識のうちに出来事を記憶します。

その中には「覚えている記憶」と「忘れている記憶」がありますが、忘れているだけなのであって頭の中に記憶として存在していて、無意識のうちにそれを使って生活しています。

 

その最たる例が「慣れ」です。

例えば
「自転車に乗れなかった時の記憶」
皆さんはどれくらい覚えていますか?

 

「いつ頃自転車に乗れるようになったか?」
「どこで誰と練習したか?」

 

それくらいは覚えているかもしれません。

では、「どのように転んだか?」
「その理由はなんだったのか?」はどうでしょう?

 

そんな細かいことまで覚えていない方が多いと思います。

ですが、私たちは「自転車に乗れない問題点や危険性」は覚えていないのに、自転車に乗れていますよね?

 

それは、無意識に記憶しているからです。

そして、その「慣れ」の中に演技やセリフに大きく関与してくるものが関係しています。

 

それが「語彙」です。

 

無意識に覚えた語彙

皆さんは自分がどれくらいの語彙を持っているかご存知ですか?

 

分かるわけないですよね。

 

では、その語彙を習得した時の記憶は?

 

それは、その言葉によってマチマチだと思います。

「未曾有(みぞう)」という言葉を知っていますか?

「めったにないほど大きな」という意味なのですが、この言葉の語彙の記憶が鮮明な人間とそうでない人間がいると私は思っています。

2011年の大震災に関する国会中継にて、時の内閣総理大臣がこの言葉の読みを間違えたのです。

その際メディアはこの出来事を大いに取り上げ、ニュースでは毎日のように「未曾有」という言葉を耳にしました。

テレビドラマでオマージュされたこともあります。

この出来事に物覚えのある人であれば、「未曾有」という言葉を覚えた時期やエピソードをハッキリと覚えているでしょう。

 

ですが「おっちょこちょい」はどうでしょう?

これに関しては、かなり幅広い時と場所で使われたり、幼少の時から耳にしていたりするので無意識のうちに「おっっちょこちょい」とは「ドジ」という意味だと知っていたのではありませんか?

 

このように人間の語彙には意識的に覚えているものと無意識的に覚えているものがあります。

 

そして、どちらも等しく「自分を自分たらしめている記憶である」ということを忘れないで下さい。

 

記憶を失えば(忘れるではなく)「自分の本質が自分でなる」ということになります。

 

記憶喪失は自信の存在意義を揺るがしかねません。

 

記憶は言葉に出る

さて、ではなぜ記憶を持たせると「文字を読まない」を作り出せえるのか?

 

それは「言葉にスケールが生まれるから」です。

「スケール」とは「厚み」「濃度」「大きさ」などを総合的にまとめた「量的な尺度」のことだと思ってください。

記憶があると、そこにはイメージが生まれます。

そのイメージによって創られるのが「スケール」です。

 

以前の記事では「犬」の例えをしました。

 「凶暴なゴールデンレトリバー」と「愛くるしいトイプードル」では「犬」の音に及ぼす影響が違います。

もちろん「愛くるしいゴールデンレトリバー」と「凶暴なトイプードル」でも違います。

今度は「川」を例にしてみましょう。

 

例えば「あ、川だ」というセリフがある時

①引っ越してきた新居の近くにある整備された大きな川

②深い森の中で凶暴な野生動物からの逃走を阻む深そうな川

③ジャングルの奥地を探検して見つけた茶色く濁った得体のしれない川

④戦場でのどが渇き命からがら見つけた小川

⑤旅行先でお気に入りのピアスを無くした場所が川だったことを思い出した

上記の4つのシチュエーションではスケールに大きな差が出ます。

 

それはなぜかというと「今『川』を目の当たりにするということがどういうことか」という「前提の記憶」が違うからです。

 

①は新たな発見にワクワクするような「あ、川だ」

②は希望を持った人間が絶望に突き落とされた「あ、川だ」

③は好奇心と警戒心が混在した緊張感のある「あ、川だ」

④はそれを見つけることが生きることを示す「あ、川だ」

⑤は思い出した衝撃の強さと遠くの場所を指し示す「あ、川だ」

 

また、非常にに結果を言語化しにくいですが
「その川の存在を地図などで事前に認知していたか」によってもスケールが変わってきます。 

この場合、地図で見た時の印象や、その時に話した会話の内容などが影響を与えます。

 

言葉はとても繊細で、色んなものからの影響を受けますが、その中でも「記憶」というものが大きく作用することが多いのです。

 

基準は「指をさせるかどうか」

全ての語彙に記憶は存在しますが、役の全ての記憶を想像するのは途方もない作業です。

それを行うには「役の人生を追体験する」しかない。

それではいくら時間があっても足りません。

では、どのような言葉に記憶を想像すればいいのか?

 

それは「指をさせる言葉」です。

ただし、それは物理・心理を問いません。

よく忘れていたことを思い出した時に「アレだよ!」といって空中を指さしませんか?

心理的に指さす」というのは、そんな感覚です。

「一瞬より前の出来事」はすべて「記憶」と捉えると誤解が無くなると思います。

逆に言えば、確かにそこにあっても見えないもの(「未知の原子」や「霊魂」、「目に止まらないほど高速に動く物体」)はたとえ物理的に存在していても、記憶はないと考えてください。

 

当然、声を発する時には、指をさしながら(という意識を持ちながら)声を出すことを忘れないで下さい。

 

これが出来るだけで「文字を読まない」を半分くらい体現できるはずです。

 

まとめ

  • 無意識に覚えているものも全て記憶
  • 「慣れ」は記憶を忘れやすい
  • 「語彙」は「慣れ」の最たるもの
  • 記憶は言葉のスケールに出る
  • 記憶の基準は「指をさせるかどうか」

 

「「一瞬より前の出来事」はすべて「記憶」と捉える」というのは少し強引ですが、この考え方があると記憶を想像しやすくなりますので、意識しておいてください。

 

また、動名詞や指示代名詞、比喩表現など解釈が単純ではないものもあるので気を付けてください。

 

今後「思想」と「感覚」についても記事を出していきますので、「文字を読まない役者」を目指して勉強をしていきましょう

 

ではまた。

 

RinDa