簡単にできる早口対策
どうも、RinDaです。
今回は「簡単にできる早口対策」というテーマで記事を書いていこうと思います。
この記事では、台本を読む時にどうしても早口になってしまう人に向けた練習法を紹介していきます。
レッスンで演技をして、ダメ出しを聞く時に「ちょっと早口過ぎるかな・・・」と言われたことありませんか?
もしくは、日頃誰かと話していてつい興奮して話をまくし立ててしまうなんてことありませんか?
そう言った経験のある方はおそらく「神経症的傾向」が強い方だと思います。
つまり、「何かしゃべらないと!」と見えない何かに急かされて言葉を発してしまっている方でしょう。
無論、演技をする場というのはよりプレッシャーを感じやすいので、神経症的傾向の弱い方でも早口になってしまうかもしれません。
何を隠そう、私もこういった特徴を持っていましたからわかるのですが、この早口のクセはそう簡単には克服できません。
私はこれに5年を費やしました。
なぜ、私がこれに5年もの歳月を費やしてしまったかというと、原因が「滑舌だ」とばかり思っていたからです。
でも、実際は違いました。
それをこれから解説していきます。
目次
セリフを音にする
✅役の声が聞こえていますか?
— RinDa@声優ネット養成所 (@RinDa_0884) 2020年7月19日
セリフを見て最初から「どう言おうか?」と考えていませんか?
役の感情や状況がわかった状態でセリフを見れば「役の声」で聞こえてくるようになります。
あとは、それをなぞるだけです。
「役の声」が聞こえないまま、セリフを口にしてはならない😌
このブログ内で「文字は敵だ」と書いていますが、
まずはセリフを文字から脱却させる必要があります。
セリフを文字と認識している限り「早く読まなきゃ」と文字に急かされてしまうばかりに口を動かしてしまいます。
そういう読み方は非常に速くなりやすいし、噛みやすくなってしまいます。
だから、そのセリフがどんな音になるかを想像できるようにさせる必要があります。
そのためには文章を理解しなければなりません。
どんな構造のセリフなのか?
何を伝えたいのか?
まずはそのセリフの国語的な構造を知りましょう。
「まだ小さかった頃に、お父さんに連れてきてもらったんだ」
まず、この文章を主部述部で分解してみましょう。
まだ(私が)小さかった頃に/お父さんに連れてきてもらったんだ
今回はこの境目に句点がついていることがわかります。
ここで考えなければならないのは、この境目で言葉を切るか切らないかです。
句点があるから言葉を切るわけではありません。
しっかりと意味合いを考えて、切った方が良いかどうか決めましょう。
今回はどちらでもいいのですが、キーワードとなる「お父さん」を強調したいセリフではあるので、少し間を取った方が無難ではあると思います。
ただ、切るからと言ってブレス(息継ぎ)を入れるという訳ではありません。
息継ぎをすると体の力みがリセットされてしまうので、セリフの空気感が継続されないことがあります。
今回の場合、主部と述部の関係が成り立っているので一文と認識して、息継ぎなしで読むといいと思います。
これがわかっていると、何を伝えるべきかをちゃんと認識できるようになります。
そうなるとその部分を伝えたい!と思えるようになるので、早口になってしまうのを防ぐことができます。
いくつの意味があるのか?
そこまでできたら、次は文節で分けます。
「まだ/小さかった/頃に/お父さんに/連れてきて/もらったんだ」
文節は、言葉として意味の通る品詞のグループのこと。
これ以上分解すると、単体では意味をなさない品詞が出てきてしまいます。
ここで行うのは、まず文節ごとにどんな意味を持った文節なのかを確認すること。
例えば
「まだ」は過去、「小さかった」は幼い、「頃に」は期間、「お父さん」は実父、「連れてきて」は一緒に訪れる、「もらったんだ」は受け身。
と言った感じ。
あとは、一つずつゆっくりと文節の意味を自分の持っているイメージで思い浮かべて、
それぞれのイメージを持ったまま、言葉自体をゆっくりつなげていきましょう。
「まだ/小さかった/頃に/お父さんに/連れてきて/もらったんだ」
文字に起こすのであればこんな風に、文節ごとに色が違う感じです。
慌てずに、一つずつ増やしていって、全部つながったら、スピードを通常に戻してみる。
そうすれば、意外とゆっくり喋れるようになっていると思います。
もちろん、演技で使うレベルにするためにはしばらく訓練がいるので、それは覚悟しておいてください。
コラム「強調してみよう」
いい機会なので、この練習法を応用して「強調する」ということを覚えてみましょう。
やり方は実に単純。
先程の文節の意味をイメージしながらゆっくりつなげる練習の時に、強調したい語句のある文節を特段強くハッキリとイメージしてみて下さい。
「まだ/小さかった/頃に/
お父さんに/連れてきて/もらったんだ」
すると自然と、語句の強調ができていると思います。
演技する際には、強調の仕方はそのセリフに合った形が採用されるので、「強く」ですべてが補えるわけではないのですが、「強調する」という感覚をつかむにはもってこいの練習だと思います。
まとめ
- セリフを文字から脱却させる
- セリフを音にする
- 構造を理解しよう
→ 何を伝えたいのか
→ いくつの意味があるのか- 意味を理解して読んでみる
- 伝えたい語句を強調する。
早口になってしまう現象や、それによって悪くなる滑舌を解消するには、文章を理解しなければならない。
そう気づいた時には、早口を克服しようとして4年が経っていました。
その4年があれば、もっと声優人生が好転していたかもと思うと悲しくなることもあります。
ですが、今この事実に気づけている自分は滑舌に関して基本的に心配を抱いていません。
この幸運はこの先ずっと続いていきます。
皆さんも、早く脱却して、良い役者人生を送りましょう。
RinDa