#RinDaの台本0427 総括
どうも、RinDaです。
今回は私がTwtterで投稿している #RinDaの台本0427 の総括をしていこうと思います。
#RinDaの台本
— RinDa@声優ネット養成所 (@RinDa_0884) 2020年4月27日
主からのコメント希望者 は #RinDaの台本0427 を付けて下さい。
今回のテーマ「朗読」です。
短編小説を題材にしています。人物設定は細かく設定していないので、文中から読み取って自由に表現して下さい。約2分の台本です。
2分で読むことが目的にならないようお気を付けて。 pic.twitter.com/zCn0QDuq8M
今回は「朗読」がテーマです。
お馴染みの方と、今回初めて参加された方が半分半分くらいだった今回の台本。
それだけ「朗読」を課題だと思っている方が多いのだと思います。
私も朗読は苦手な部類の人間ですが、私がWSなどで学んだことを皆さんに少しでもお伝えしていきたいです。
それでは「#RinDaの台本0427 総括」
少しだけお付き合いください。
目次
台本の総括
台本のモチーフ
今回は「朗読」ということで、台本とは別に設定を用意することはなく、文中から設定を読み取り、または創り出してもらうという形にしました。
台本の内容は全文オリジナルですが、ノーベル賞作家である川端康成の短編集「掌の小説」の中の「雨傘」という作品をモチーフにさせていただきました。
「濡れはしないが何とはなしに肌の湿る、霧のような春雨だった」という一文から始まり、官吏の父を持つエリートな少年と町のとある商店の娘である少女、そんな二人の「雨傘」にまつわる好意が恋に変わる瞬間のお話です。
この作品を私に教えて下さった先生がこの作品について、「ただのおっさんが初々しい二人の姿をニヤニヤしてみながら書いているようだ」とおっしゃっていたので、私も初々しい学生カップルを少し遠くから眺めているかのように描かせてもらいました。
台本の構成
朗読の題材としては珍しく視点が一点に定まっておりません。
全体的な文体としては三人称で描かれているのですが、後半に差し掛かるにつれて登場人物たちの心情に詳しい描写が入り、メインの立ち位置が入れ替わりながら話が進んで行くという構成で描かれています。
なので、全文を俯瞰してナレーションように読んで頂いても、感情の移り変わりにフォーカスしてエモーショナルにモノローグのように読んで頂いてもいいと思います。
参加者の方の朗読に対するイメージや特性、趣向を見ることができたらいいなと思ってこのような構成の台本を選びました。
登場人物の解釈
ツイート自体には「好きなように」とは書いた気がするんですが、一応、私の解釈を記しておこうと思います。
まず、察しはつくとは思うのですが、付き合いたてのカップルです。たぶん一緒に帰るのが2回目か3回目かなので、付き合って1週間以内ってところでしょう。個人的に告白したのは少年の方からだと思ってます。
少女は文化部所属のかなり理性的な子で、「はしゃいだりするとみっともないかな?」などどう見られているかを気にして、なかなか素直に行動できない女の子です。
少年は念願かなって付き合うことになって、待ち合わせて帰るなんて夢みたいだと思ってます。ホントはしっかりと彼女をエスコートしたいと思っているんですが、上手くできるか不安で基本的に落ち着きがなくなってる、ウブな男の子です。
少女ははしゃぎたいけど落ち着いて、少年は落ち着きたいんだけどはしゃいでしまう。
そんな関係性が面白いんじゃないかなって思いながら、二人の待ち合わせを書いていました。
まあ、私は物書きではないので、それが上手く伝わったかは分かりませんが、伝わったらいいなって思います。
参加者全体の印象
「朗読は基礎の塊だ」と言われるくらい、朗読をさせると読み手の地力がわかるものです。
その言葉通り、今回の台本では「演技経験の差」ないし「養成所生・専門学生であるかないか」が出てしまっていたように思います。
演技経験がある方は先程の「ナレーションのように読むか、モノローグのように読むか」というところ、また「どっちの方が伝わりやすいか」なんて話になっていきます。
ナレーションのように読むなら「聞き手のストレスをどれだけ無くせるか」、モノローグのように読むなら「聞き手の関心をどれだけ引き寄せるか」という追究の仕方になると思います。
一方、演技経験のない方ですが、
まず、発声が足りてないと全体的に雰囲気が暗くなります。
ホラーなのかとか思うくらい暗いので、恋愛ものの感じはしないですよね。
あと語尾に向かうにつれて音が消えてしまうこともあり、とてももったいないです。
それとやっぱり滑舌ですね。
ご自身で収録して頂いているので壊滅的な音源こそないものの、「これくらい数なら仕方ない」という妥協が見られる音源もありました。
朗読において「言えていない」ことほど聞き手にストレスを与えるものはないので、朗読こそ妥協はできません。
あとは経験者の方にもみられる「甘噛み」ですね。
長文を読むことになれていないとよくあります。いわゆる体力不足みたいなものなので、定期的に長文を読むようにしましょう。
外郎売を5分ぐらいかけてしっかり読むとか、小説10分くらい音読してみるとかするのが手ごろな練習だと思います。
朗読は基礎の到達度確認に最適なので、週一とか月一とかでこの台本を読んで、
自分の能力を確認してみて下さい。
朗読との向き合い方
ナレーションとモノローグ
台本の説明のところでも書きましたが、ナレーションのように淡々と読むのか、モノローグのように爛々と読むのか、どっちがいいの?という疑問があるかと思いますが、仕事によるところが大きいです。
ですが、割合としては「ナレーション」を要求されることが多いです。
現場によっては、句読点の位置がわかるように読んでくれと言われます。
なので、息が苦しくても、テンポが悪くても、言いにくくても、文字面通り読めることが求められるので、めっちゃ難しいです。
「早く朗読の仕事がしたい」と思うのであればナレーションのように淡々と読むことができる練習を積んでおきましょう。
また、アニメ中心に考えている方でも、主人公に抜擢されれば冒頭のナレーションとか担当する場面も割とすぐにやってきますので、練習時間を割いておきましょう。
逆に淡白なナレーションに慣れておけば、CMナレーションでも起用されやすくなります。CMナレーションは単価が高いので、声優としての寿命が延びると言ってもいいでしょう。
逆にモノローグのように感情が入った朗読は、落語的な扱いになるので、朗読劇などのショーで必要になってくるかと思います。
こちらは演技の要素が入ってくるので、「語り部になりきる」というのが基本的な姿勢です。その人物が、その物語を見たり聞いたり読んだりして、どう感じたのかという視点で役作りができるといいでしょう。
感情の出し方
先程、「早くナレーションの仕事をしたいならナレーションのように~」と書きましたが、早く上手くなりたいなら、モノローグをストレートのようにに聞かせる術を学ぶべきだと思います。
なぜなら、感情のない朗読は念仏と同じなので眠くなります。そんな朗読は長くなればなるほど価値が薄れていきます。なので、念仏にならない様にストレートな朗読にも感情を加え、聞き手を楽しませることを心掛けていきましょう。
感情を出すための意識として、「映画監督になりきる」というのがあります。
その作品の映画監督を任されたつもりで、その物語をカメラにどう納めるか考えながらプラン作りするという方法です。
なので、小説原作の実写映画とかちゃんと見ておくことが大切になります。
「自分だったらここはこう見せる!」というようなこだわりがもてるようになれば、より良い物語の見せ方を考えられるようになると思います。
一度、今回の台本も皆さんが監督となって映画化してみて下さい。
まとめ
- ナレーション的な朗読の方が需要が多い
- モノローグ的な朗読を覚えた方が効率的
- 感情を出すために映画監督になりきる
といった感じでお送りしてきました。
これを機に朗読のことも気にかけて、自分の地力を高めていきましょう。
今回もたくさんのご参加、ありがとうございます。
また次回もすぐ作るので、奮ってご参加ください。
RinDa