距離感成長の5つの段階

どうも、RinDaです。

 

普段はTwitterにて、声優志望者の方に向けて演技上達に役立つ情報を発信したり、企画「RinDaの台本」を投稿し、60人以上の音源に対して演技のアドバイスをしたりしています。

 

今回は「RinDaの台本1102」で使用した「演技コメントシート」の「距離感」の項目について深掘りしていこうと思います。

 

名付けて「距離感成長の5つの段階」です。

 

「RinDaの台本1102」と「演技コメントシート」については以下の記事をご参照ください。

#RinDaの台本1102 総括 - RinDa声優ネット養成所

演技を評価する5つの基準 - RinDa声優ネット養成所

 

Twitterにて、同タイトルのツイートを致しましたので、この記事ではその解説をしていくことになります。

この記事は

「距離感ってどういうことかわからない」

「距離感は何を基準に決まるのか」

「演技に心がこもらない」

という方にオススメです。

ツイート文にある通り、距離感には「物理的距離」「心理的距離」が存在し、状況次第では、様々な表現と解釈ができるものなので、この記事でバッチリ捉えようとはしないで下さい。

 

「そういう考えもあるのか」と認識を増やすつもりで読むのがちょうどいいと思います。 

 

 

 

目次

 

 

①相手の位置がわかる

距離感ということで「近い」や「遠い」を気にしがちな方が多い印象です。

 ですが、それよりも先に「物理的に前後左右のどこの向きにいるのか」を気にしましょう。

それが難しいという方は「前後」からでも大丈夫です。

 

まずは「顔を後ろに向けて声をかける」と「(タクシー運転手のように)顔を正面に向けたまま後ろに声をかける」の違いを分かるようにしましょう。

 

それが出来たら「右に意識のある声」と「左に意識のある声」です。
左右でも意外と音が違うものです。

 

日頃よく観察するようにしましょう。

 

②相手の大きさがわかる

①を「向き」とするならば、ここでは「角度」の話になります。

 

まずは「高さ」について。

対象が、自分よりも高さが大きければ、声をかける角度が上がります。
逆に小さければ、声をかける角度は下がります。
また、小さくても飛んでいれば角度は上がる可能性はあります。

 

次に、「面積」についても考えましょう。

対象の面積が大きければ、声をかける角度が広がります。
逆に小さければ、声をかける角度が狭くなります。

この「高さ」と「面積」の二点の考えから、

「土地」に対して話すときは、角度を「下」に「広く」とります。
「ビルの屋上にいる人」に関しては、角度を「上」に「狭く」とります。

では「空」に対してはどうでしょうか? 

そうやって、物理的な大きさから距離感を掴んでいきましょう。

 

③相手の立場がわかる

この辺りから心理的な要素が入ってくるので、話がぼやけてきますが、頑張ってください。

 立場の上下は②の「大きさ」を心理的に応用しただけになります。

例えば「上司と部下」で自分が部下なのであれば、お芝居的には「ゴマをするような態勢で前かがみになって話す」ことになります。

これをすることによって、どんな音になるかというと「しゃべる前に自分が少し下に動いて、上向きに角度をつけた話し方」になるわけです。

日本語的に言う「へりくだる」というものです。

これをすると音の軌道が、「下から上に浮き上がる」感じになります。 

逆に、上司なのであれば、「上から下に沈める」感じになります。

 

また 「高さ」を使えば「上下関係」、「面積」を使うと「尊敬の度合い(器の大きさ)」を表現することが可能です。

 

④相手との関係性がわかる

次は「近い」「遠い」の心理的応用の話になります。

物理的に遠い場合、声は強く大きく鋭くなり、
物理的に近い場合、声は弱く小さく柔らかくなる。

ここまでは理解できると思います。

 

では、これを心理に応用した時に「関係性」を表すものになります。

つまり、親しい人間には、弱く小さく柔らかい声を使い、
嫌っている人間には、強く大きく鋭い声を使うということです。

 よく「相手を突き放すように言う」という表現があります。

この場合、物理的に距離が近くとも、心理的に距離を取らなければならないので「強い口調で言う」ということになります。

なので、必ずしも物理的な距離だけで声が決まるわけではないことを念頭に置いておきましょう。

⑤相手の顔が見える

簡単に言うと、「相手との感情の駆け引きが意識できているか」ということになります。

相手の言葉に反応して距離を取ったり、自分の意志を尊重して近づいていったり、はたまた反応の仕方が分からず迷ってしまったり

感情の駆け引きで、相手との距離が細かく変化することがあります。

その距離感を明らかにすることで、自分の感情だけでなく、相手の感情を見せることが出来ます。

人の感情は表情に大きく現われ、人間はそれに反応するので、「相手の顔がわかる」という状態を聞き手に与えることになります。

 

まとめ

①相手の位置がわかる
 →まずは「前後左右」から

②相手の大きさがわかる
 →次に「角度」を意識する

③相手の立場がわかる
 →角度を「心理的」に応用する

④相手との関係性がわかる
 →声の大きさで関係性を表現する

⑤相手の顔が見える
 →感情の駆け引きを声で表現する。

いかかでしたでしょうか?

ここで紹介したのは、距離感の考え方の一例であり、入り口みたいなものです。

具体的なシーンで考える場合は、もっと細かい注意点が出てくると思うので、それは自身の感覚で養っていきましょう。

 

重要なのは、「距離感を意識することが感情を意識することになる」ということです。

これが理解できると、その場にいない対象を呼ぶときに、どのような表現をすればいいかがわかってくると思います。

ちょっと難しい所なので、焦らず少しずつ理解していってください。

 

ではまた。

RinDa

 

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