立体的な演技を考える
どうも、RinDaです。
今回は「立体的な演技」について記事にしていこうと思います。
「立体的な演技」とは、奥深さが感じられ、まるで目の前にいるかのように思わせられる演技のことをそう呼んでいます。
聞き手の想像力を刺激し、映像を想い浮かばせるような演技ともいるでしょう。
演技が立体的であるだけで、その演技には説得力が存在し、聞き手を納得させることができます。
また、立体的な演技をする感覚がわかっていれば、役者自身が間違った解釈をしているをしていることに気が付くことができます。
なぜなら、立体的であるということは、物理的にありえないことをしているということを自覚できるからです。
というように、
立体的な演技を理解でき、実践できるようになれば、それだけで自分の演技の正当性に自信を持つことができます。
台本チェックの基準を作り出すこともできるので、仕事が効率的にもなると思います。
では、どのように立体的な演技を作り出すのでしょうか?
目次
立体的ではない演技
まずは、立体的ではない演技について理解を深めていきましょう。
立体的とはすなわち「三次元的」「3D」であるということ。
数学的に考えれば、それより次元の低いものは存在していると言えます。
二次元 = 平面的
一次元 = 直線的
直線的な演技
これはイメージしやすいかもしれませんが、俗にいう「棒読み」という感じでしょう。
文字をただ繋げて喋っているだけで、「繋がっているかいないか」でしか表現を判断できないといった演技のことを直線的と言えると思います。
たしかに、演技としてみっともないと思うかもしれませんが、これが「発声・滑舌の基礎」を持った最初の演技と言えるでしょう。
これが出来ない人が、平面的な演技や立体的な演技を会得するのはすごく難しいと思います。
平面的な演技
平面と言って図形を想像する方が多いかもしれませんが、この場合は「曲線的」と言った方がわかりやすいかもしれません。
いわゆる「感情のある演技」ですよね。
読解の基礎を用いて、役の感情を読み取り演じたものが平面的な芝居と言えるでしょう。
ここまでできるだけでも、かなり魅力的な演技ではあるのですが、「感情を理解する」ということは非常に難しいです。
提案したプランが、必ずしも合っているとは限らないし、共演者の方とプランがかみ合わないこともあると思います。
そうなるとプランを軌道修正しなければなりませんが、平面的な演技だとこれがとても難しい。
なぜなら、「感情を上下の幅でしか考えられないから」です。
最初はこの感情を強くする。
ここは弱して違う感情で。
ここは全体的に感情を弱く。
こうやって役を作っていると、調整が「上げるか下げるか」だけになり、微調整ができなくなるからです。
立体的な演技
では、立体的な演技をするためにはどうすればいいのか?
それは「状況を理解しておくこと」です。
ものすごく簡単に書きましたが、考えることはメチャクチャに細かいです。
例えば「朝の学校の廊下」の場面
朝の学校の空気はどうでしょう?
朝練後で清々しい?
まだまだ寝起きで陰鬱としている?
友達と会えるのが楽しくてウキウキ?清々しいなら、リラックスし開放感があるので、肩は開き背筋は伸びた感じの体の状態です。
陰鬱なら、重力が強い感じなので、前かがみで猫背、視界は少し狭くぼやけてるかも。
ウキウキしてるなら、テンションが高い状態なので、歩調は力強くも飛び跳ねる感じで、目的があるので視界はハッキリしてますよね。
と言った感じで5W1Hにおける「where」の要素だけで、これだけのことが考えられます。
考えることは膨大で、初めのうちはなにから考えればいいのかわからなくなると思います。
立体的に考えるには、それなりの経験と想像力を必要とします。
すぐにできるものではありませんが、少しずつ始めないと出来ないものなので、習得するつもりなのであれば、気合を入れて臨みましょう。
最大のポイント
立体的な演技において一番重要なのが、「体の使い方を覚えること」です。
全ての演技は体から作られます。
ですが、声優の演技はマイク前で行われますので、体を実際に動かした演技をすることは出来ません。
なので、台本から読み取った情報をある身体の一部分に集約しておきましょう。
それが「手」と「足」です
手の動きには「意識」を集約しましょう。
どのくらいの距離感で話しているのか、どの向きに話しているのか。
どんな気分で話しているのか、どんな空気の中で話しているのか。
そういった質的な情報は「手」で表現できるようにしておくといいと思います。
足には「力」を集約しましょう。
演技中、上半身に力をこめることは人体の構造上良くないので、力は下半身を中心に表現するようにしましょう。
具体的に言えば「踏み込みの強さ」でセリフにこもっている力を表現できます。
もちろん、足音がしないように気を付けてください。
どれくらいの強さ、どれくらいの速度、どれくらいの大きさなど、量的な情報は「足」で表現できるようにしておくといいでしょう。
このように、実際に体を立体的に使うことで、立体的な芝居を生み出すことができます。
「体を使って演じられてないな」と感じた時は、「自分の演技が間違っているかもおしれない」と思っていいかもしれませんね。
まとめ
- 立体的演技は状況に対する情報を体に集約することで作り出すことで習得できる。
- 体に集約する際は、質的情報は「手」に、量的情報は「足」を使って表現しよう
もちろん、慣れてくれば「手」や「足」を無理に動かさなくても、立体的に演技られることもあります。
あくまで、補助輪的な考え方であると理解してもらいたいです。
また、体の使い方をもっと理解すれば、足に頼らない「力」の出し方や、手に頼らない「意識」の出し方をすることができます。
そういうのを覚えたいと思った方はぜひ格闘技や駆け引きのあるスポーツをすることをおススメします。
立体的な演技は、声優の演技の完成形の一つでもあるので、知識として持っておいて損はないはずです。
レッスンなどのダメ出しで自分の上達を測れるように、練習の時から意識をしておきましょう。
もちろん、直線的や平面的な演技がまだできない方はそちらを優先しましょう。
ではまた。
RinDa
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