滑舌成長の5つの段階
どうも、RinDaです。
普段はTwitterにて、声優志望者の方に向けて演技上達に役立つ情報を発信したり、企画「RinDaの台本」を投稿し、60人以上の音源に対して演技のアドバイスをしたりしています。
今回は「RinDaの台本1102」で使用した「演技コメントシート」の「滑舌」の項目について深掘りしていこうと思います。
名付けて「滑舌成長の5つの段階」です。
「RinDaの台本1102」と「演技コメントシート」については以下の記事をご参照ください。
今朝Twitterにて、同タイトルのツイートを致しましたので、この記事ではその解説をしていくことになります。
✅滑舌の成長5段階
— RinDa@声優ネット研究所 (@RinDa_0884) 2020年12月2日
①滑舌の悪さを自覚する
②苦手な音を知る
③全てをキレイに発音する
④ニュアンスに崩されない
⑤ニュアンスを滑舌に含める
①と②の間、③と④の間に分厚い壁が存在します。
まずは、滑舌というものが重要すぎて、日常に溶け込んでしまっていることから自覚しましょう😌
この記事でわかることは
・自分の滑舌のレベル
・滑舌に関する課題
・今、自分が考えるべきこと です。
「自分が見えていない」
「課題が見えない」
「何をしたらいいかわからない」
という悩みはモチベーションに大きく関わってきます。
自分の現状と照らし合わせて、読み進めていきましょう。
目次
①滑舌の悪さを自覚する
上手くなるための道はただ1つ。
自分の下手さを自覚することだけです。
どんな声優も役者も「滑舌をナメてかかった経験」というものはあります。
「普通にやればいいだけ」なのですが、
その「普通」がどれだけ難しいか。
そのナメた態度を自覚しない限りは、滑舌の成長はありません。
悲観する必要はありませんが「自分は滑舌が悪い」「決して良くはない」という感覚をいつも心に持っておきましょう。
②苦手な音を知る
「どの音が苦手か?」というのは体の特徴によってマチマチです。
舌が長い人、短い人。
歯並びのいい人、悪い人。
噛み合わせがいい人、悪い人。
筋肉量の多い、少ない…etc
みんなそれぞれ違う音を持っています。
そんな一人一人が同じ音を同じように出せるわけがありません。
中には苦手が多い人や、少ない人が居るかもしれませんが悲観する必要はありません。
研究と努力で同じ土俵に立てるので安心してください。
むしろ、苦手が少ない人は研究が疎かになりがちなので、苦手が多い人の方が「結果的に器用」なんてこともあります。
苦手な音は、一音そのものが苦手な場合と、音の連なりが苦手な場合がありますので、「発声練習でちゃんとできるから」と油断しないようにしましょう。
③全てをキレイに発音する
ハッキリ言います。
「全てをキレイに発音する」なんてことは不可能です。
しかし、我々は役者です。
「全てをキレイに発音する」必要なんてありません。
「全てをキレイに発音する」ように見せかけるだけでいいのです。
要するに「誤魔化す」ことが重要になってきます。
これはプロの声優さんもやっている立派な技術です。
無闇に努力せず、聞き手が「言えている」と誤解するような言い方ややり方を考えてみましょう。
④ニュアンスに崩されない
役者の仕事は「全てをキレイに発音する」ではありません。
「台本上に記された役を的確に表現し、作品を再現すること」です。
そのためセリフには「ニュアンス」が存在します。
「ニュアンス」とは、感情や身振り手振り、はたまた性格や育ちなど、色んな要素が含まれた「音の歪み」です。
憑依して演じてみた方はわかると思いますが、生まれた自然な感情をそのまま音にすると、音は決してキレイにはなりません。
必ず何かしらの「歪み」を含んでいます。
「その歪み表現しながら、いかに滑舌を保つか」
それが役者に課せられた命題の1つだと思います。
⑤ニュアンスを滑舌に含める
ここは音声作品に特化した声優だからこそ気になる領域です。
④の段階では、滑舌という「秩序」に、ニュアンスという「混沌」をぶつけて、いかに均衡を保つかという状態でした。
ですが、これは実に「不安定な状態」です。
声優と俳優の大きな違いの1つが「作品にかける時間の差」です。
俳優が何か月もかけて役を作り、収録をするのに対し
声優は、一週間足らずでそれを行います。
そのため、「安定感」というものが声優には大事とされます。
より良い声優を目指すのであれば、「滑舌をニュアンスに含む」とともに「ニュアンスを滑舌に含む」という感覚を持ち、「不安定すらも自在に再現できる状態」が望ましいと思います。
まとめ
①滑舌の悪さを自覚する。
→ナメた態度では改善されない。②苦手な音を知る。
→自分を研究して見つけ出す。③全てをキレイに発音する
→そう思われるように誤魔化す。④ニュアンスに崩されない
→「歪み」に滑舌で対抗する。⑤ニュアンスを滑舌に含める。
→不安定すらも自在に操る。
滑舌の成長に必勝法はありません。
なぜなら、誰一人として同じ人間などいないからです。
一人一人違う滑舌を持っています。
それを真に理解出来れば「ニュアンスを滑舌に含める」ことが、滑舌における最終目標であることに納得いただけると思います。
滑舌は必勝法がないがために、毎日コツコツやるしか方法が基本的にはありません。
道のりは長いですが、プロの声優になるのであれば、一生向き合わなければならないことです。
早いうちから慣れておくつもりで頑張りましょう。
ではまた。
RinDa
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