ボイスサンプルをつくろう

どうも、RinDaです。

 

今回は「ボイスサンプル」についての記事を書いていきます。

 

ボイスサンプルとは、声優にとっての「お品書き」と呼べるものです。

「私はこんな声をしています」
「こんな芝居ができます」

ということをアピールするための音声がボイスサンプルです。

 

声優事務所のホームページの所属タレント紹介ページに掲載されているのが、よくあるボイスサンプルです。

これは事務所側が用意するものではなく、多くの場合、声優自身が台本も音源も用意してくるのが一般です。

近年では収録スタジオを保有している事務所も増えたので、収録の際に事務所の方からディレクションを受けながら録音するという場合も多いです。

 

事務所に所属するまで、専門学校や養成所で授業の中で用意された台本を読んでいただけの新米声優が、台本を書いて録音して編集してというのはかなりハードルが高いことです。

そこで今回は、ボイスサンプルの「台本の書き方」や「台本の選び方」について解説していこうと思います。

 

目次

 

ボイスサンプルの目的

ボイスサンプルを作る上で意識しなければならないのは「自分の武器となる声をアピールすること」です。

 

先程も書いた通り、ボイスサンプルはお品書きです。

どういう声を持っていて、どんなキャラクターにハマりそうなのか。

聴く側も、その意識で聴いている場合が多いです。

 

ここで誤解してはいけないのは「演技ができている」ことが前提であること。

演技の下手さは、音源を聴かれただけでバレます。

満足に演じられる余裕のない声を使っても意味がないので気をつけましょう。

 

なので、声優志望者の方は、無理に声を作らずに地声と演技の仕方でボイスサンプルを構成するのが無難だと言えます。

地声についてはコチラの記事をご参照ください。

rinda0884.info

ただし、女性に関しては「声色の幅」に対しての需要がとんでもなくあるので、三種類くらい持っているのがプロの相場だと思ってください。

よくある例で言うと【物静かな透明感のある声(地声)】【老け感のあるお姉さん声】【かん高くて甘いロリ声・ケモノ声】って感じです。

なので、出来れば現時点で二種類くらいは用意できるととてもいいと思います。

男性も声幅で見せてもいいですが、需要は女性と比べるとかなり落ち込むので、演技や感情表現で見せられるといいんじゃないでしょうか。

 

台本を用意する際や録音をする際に気をつけておかなければならないのは、ボイス一つ一つが違うキャラであることがハッキリと分かること。

声だけでまるで別人とわかるか、セリフの出入りを工夫して違う印象を与えられることができるよう日々練習しておきましょう。

 

これは、オーディションなどの規定台本のボイスサンプルでも同じです。

キャラ台本が3つあるなら、自分の声の良いところをアピールした上で、三つとも違った印象を与えられた方が良いと思います。

 

ボイスサンプルに適している台本

 ボイスサンプルに適している台本は「そのセリフの前後の展開が想像しやすいもの」です。

できれば、文字だけでも前後が想像できると最高です。

 

規定台本の場合は、その台本に前後の展開を付け加えなければならない、ということでもあります。

選択式なら、自分が想像しやすいものを選ぶのがいいし、
自分で作る方式なら、そういう台本を自分で作るか探すかしましょう。

 

なぜ「そのセリフの前後の展開が想像しやすいもの」がいいのか?

 

それは、その設定が演者の中で明らかになっているだけで、重厚な演技に持っていくことができるからです。

 

私が以前記事にした「記憶」「思想」「感覚」がそれのヒントになると思います。

 

rinda0884.info

 

台本の内容がスカスカだと、どんなにいい演技をしても、聞き手には違和感が残ります。

それに、そのセリフの中の言葉に公用語以上の意味が込められていれば、それだけで人の心を引き付けられたりするものです。

台本のせい、読解のせいでせっかくの良い演技が日の目を見ないなんてことにもなりますので、台本選びと読解には気を配りましょう。

 

台本の作り方・読解の仕方

ここからはちょっと裏技的な方法になります。

人によっては「ズルい方法」でもあるので、そういうのが苦手な方は見ない方がいいと思います。

 

 

台本を作る方法として、私が最も効果的だと感じている方法は

 

「既存の作品のセリフを基にして作ること」です。

 

ボイスサンプルに使えそうなほどわかりやすいセリフというのは、だいたいパターンが決まっています

そういうものは、リリースされている作品には山ほど使われています。

「ここを通りたければ俺を倒してから!」とか
「デザートをどれにするか悩む女の子」とか
「初恋をするお姫様」とか
「好きな女子に告白する男子中学生」とか。

もうセリフを丸々パクったりしない限り、どの作品から引用したかなんてわかりません。

だから、少しシチュエーションをいじくれば、セリフをほとんどそのまま使えます。

 

演じる側としても、好きな作品の好きなシーンを演じた方が気分が乗っていい演技ができると思いますし、アニメ化されてるならお手本付きなので、よりよいサンプルを作れることでしょう。

 

また、規定台本のサンプルの時も、似たシーンのあるアニメを参考にして読解してみると、とてもやりやすいと思います。

 

これはビジネス書なんかでよく書かれていることですが、「最初は何事も真似から」です。

オリジナルというのは既存の商品を研鑽し昇華したものがほとんどです。

真似は卑怯ではなく、成長と発展のためにはごく当たり前の方法だと理解しておきましょう。

もし、あなたがこの過酷な声優業界で生き抜いていきたいのであれば、なおさらです。

 

まとめ

  • 目的は「自分の声のアピール」
    →→→武器となる声の数か
    →→→工夫の仕方の多さでアピールする
  • セリフの前後が想像できる台本を使う。
    →→→キャラが活きる
  • 台本も演技も真似から始めよう
    →→→何事も真似から始まる

 

ボイスサンプルは、新人声優の最初の関門にしては、かなり難易度が高い試練です。

 

しかし、ここを乗り越えられないようでは、業界で活躍することは難しいです。

 

なぜなら、台本を作ることで制作サイドの気持ちを味合わされているからです。

 

制作サイドの意図が汲めるようになってこそ一人前です。

 

自分の意図すら汲めない声優がそれができるとは到底思えません。

 

この試練を乗り越えて、早く一人前になりましょう。

 

ではまた。

 

RinDa