事実をもとにしたキャラ理解

どうも、RinDaです。

 

今回は「事実をもとにしたキャラ理解」について書いていきます。

 

キャラ理解というスキルは、基本的に「人を見る目」から形作られるものだと思っています。

 

「人を見る目」というものは経験から養われるもので、一朝一夕には確立できるものではありません。

 

なので、その土台となるような一例を今回皆さんにお伝えできればいいなと思います。

 

この記事では

 について解説していきます。

 

キャラ理解を身に付けて、演技の初動を盤石にしていきましょう。

 

四つの観点

台本と設定を手にした段階で確認しておきたいことが4つあります。

①肉体的特徴

②精神的特徴

③他人との関係性

④価値観に関わる過去

この4つのうちのいくつが明記されているかはわかりませんが、事実として書かれている、もしくは事実としか思えない場合は、ちゃんと把握しておきましょう。

①肉体的特徴

まず、ここは抜かすことは出来ない観点です。

もし、設定に明記されてない場合は、キャラの姿は自分なりにでもいいので、考えてもらいたいくらいです。

 

気を遣うのは、人間的な形であるのであれば「背の大小」「筋肉量・脂肪量」「顔の造形」「国籍(主に日本人かそれ以外か)・種族」「服装や身分」といった外見で分かることを確認していきましょう。

そもそも人間的な形を持っていない(喋る猫とか)なのであれば、その形態に近しい動物を参考にしたりするといいでしょう。

ここでおおよその声の方向性が決まると思います。

 

次に気を遣うのは、「ケガや疾病」「身体能力」です。

これは歩く時などの動作をする際のニュアンスに関わってきますので見逃さないようにしましょう。

 

②精神的特徴

いわゆる「性格」と言われるところですが、幅を持たせるために精神的特徴としています。

例えば、気が強くても犬がコワい、なんてことはあるので、性格だけが全てとはとらえない方が良いと思います。

 

基本的には、設定にかかれた内容をセリフにニュアンスとして込めればいいのですが、気を付けなければならないことがあります。

 

それは「一人の人間が持つ精神的特徴の数が膨大であること」です。

一度、自分の長所などの精神的特徴を知りうる限り書き出してみるとわかりますが、その数は数え切れなくなります。

度胸があるのに臆病だったり、優しいのに厳しかったり、と一見矛盾しているものがあったりもします。

設定に書かれていることは、そのキャラを客観的に見た時の精神的特徴であり、必ずしも主観と一致しているとは限りません。

なので、たとえ「気が強い」と書かれていようが「気が弱くなる時」というのは存在しています。

これを「気の強いキャラの弱気な時」という感じの「矛盾」したニュアンスにしなければなりませんし、2つの感情がせめぎ合う「葛藤」を表現しなければならなかったりします。

つまり、設定に書かれていることを愚直に表現すればいいという訳ではないということです。

 

③他人との関係性

誰にでも平等に接して生きている人間はそうそういないものです。

必ず、誰かを特別に理解していたり、誰かを特別に扱っていたりすると思います。

なので、台本や設定に「家族関係」や「恋愛関係」、「交友関係」が記してある場合はチェックしておきましょう。

大事なのは「好意」だけに限りません。

「悪意」を抱いている時点でそのキャラは特別な存在です。

特別な存在の動向は、そのキャラクターの感情を大きく揺さぶる時があるので、見逃さないようにしましょう。

 

主人公とかになると登場人物のほぼ全員を特別視している可能性があるので、細かくチェックしなければなりません。

また、「好意も悪意もある」とか「行為の裏返しの悪意がある」とかややこしいパターンもあるので気をつけましょう。

 

④価値観に関わる過去

過去のトラウマや成功体験といものは、人生に大きな影響を与えます。

どんなに気の強い子でも、凶暴な犬に襲われてかみつかれた経験があれば、犬に対してだけは弱気になったりすることもあるかもしれません。

 ②で説明した「矛盾」や「葛藤」が生じるのは、過去の経験が原因である場合が多いです。

この原因がわかることで、セリフに込めるニュアンスの濃さや大きさを推測できるようになります。

比較的重い過去のであれば印象的に表現しなければいけないし、軽いものであればさりげなく表現することになるかもしれません。

知っておくことで、よりキャラクターを深く理解した演技に近づけると思います。

 

まとめ

 今回ご紹介した「4つの観点」ですが、4つ全てが他の観点に影響を与えるものばかりです。

なので、4つを独立して考えるのではなく、4つのアプローチを以てして、1人のキャラクターを考えているという意識を忘れないで下さい。

4つの観点のうちから1つでも発見があれば、それは4つの発見になる可能性が高いし、それぞれの観点から1つずつ合計4つの発見をしても、ただ1つの特徴を指していることだってあり得ます。

むしろ、独立した特徴を見つけた時は、他との関連性を必ず疑ってください。

それで間違いを1つ潰せるかもしれません。

 

1つの違いが大きな違うを生んでしまうのが演技の厳しい所です。

その小さな発見がオーディションの勝敗を分けることだってあるかもしれませんよ。

 

ではまた。

 

RinDa