演技における「論理と感覚」
どうも、RinDaです。
前回の記事に引き続き、「論理と感覚」のお話です。
今回はより演技にフォーカスした形で解説していきましょう。
目次
映像で見せる
はじめに、演技の目的を限定します。
今朝、こんなツイートをしました。
✅声の演技の上手い人
— RinDa@声優ネット養成所 (@RinDa_0884) 2020年6月4日
「映像を見せることが出来る人」
原理的に言うと、人の脳を刺激し一種の錯視を促すことの出来る人間のこと😁
上手いの基準は人それぞれですが、私はこう考えています😌
今回は演技の目的を「映像として見せる」ことに仮定したいと思います。
この「映像として見せる」を実現するまでのプロセスが、論理的思考と感覚的思考で全く異なるのです。
台本の例として#RinDaの台本0530 を使用していこうと思います。
もちろん、これはボクの持っている一般解ですので、論理と感覚のプロセスの違いの参考までに見て頂ければ幸いです。
#RinDaの台本
— RinDa@声優ネット養成所 (@RinDa_0884) 2020年5月30日
私からのアドバイスを希望して頂ける方は「#RinDaの台本0530」をつけてツイートしてください。
今回のテーマは「心の距離」
10~20代向けの深夜アニメを想定した掛け合い台本を用意いたしました。オビト(男性)とカオリ(女性)の設定、心の距離感を意識して演じてみて下さい。 pic.twitter.com/jTRQ79cNqx
論理的思考
「結果から考える」ことが得意な論理的思考。
まずは「結果」を探ります。
例題のカオリにフォーカスすると、この台本は「バスケの練習の最中、オビトの心境を確認し、はぐらかされる」という一つの解釈ができると思います。
なるべく簡単な表現で表せられるとベストですね。
そうすれば、この台本を「①練習の雑談」と「②オビトへの質問」と「③はぐらかされた心境の吐露」の三つの段階に分かれることがわかります。
それができたら、それぞれ細かく見て、必要な設定を整理していきます。
①は「バスケ部員であり、「上手い」と評価を受けていること」と「オビトと幼馴染であり、思い出があること」
②は「オビトに好意を持ち、彼を心配する気持ちがあること」と「好意と同時に憧れがあり、自分の先を行く人間を励まそうとしていること」
③は「居ても立ってもいられない気持ちがあること」と「それを上手く言葉にはできないこと」
といった感じでしょうか。
もちろん、他にも気づいたことや独自の解釈で見せることはしてもいいと思います。
あとは、これを上手くセリフに表すだけ。要はスキルの問題ですね。
このように論理的思考で台本を見ると、「台本を細分化して情報を得る」というプロセスになっていきます。
感覚的思考
「つじつまを合わせる」ことが得意な感覚的思考。
まずは、動きの流れを追っていきましょう
同じくカオリにフォーカスすると、
シュート練習をしながら昔の話をする。息が上がているかもしれない。ちょっと楽しそうな気もする。
↓
突如話が途切れたことをきっかけに気になっていることを質問をする。気まずい雰囲気から抜け出したかった?それとも問い詰めるチャンスだと感じた?さりげなく?真剣な空気?
↓
察しの悪いオビト。ムキになる?改めてちゃんと伝えなおす?ちょっと自信がなくなる?
↓
はぐらかすオビト。寂しい気持ちになる?悲しい?イラっとくる?やっぱりなと思いながらも最後まで自分の気持ちを伝える?
↓
あっけにとられるオビト。ちゃんと理解させるように?逆に誤魔化すように?想いをぶつけるように?想いを納めるように?
わかりやすい話が確率計算の樹形図やプログラミングのように考えていきます。
このように感覚的思考で台本を見ると「そのセリフ毎に選択肢を選び結果を出していく」という形になります。なので、膨大な量の結果が表れます。
あとはそれが設定とズレていないかを持ち前の経験則を用いて確認していく。もしくは自分の納得のいく映像にになっているかというのを考えます。
まとめ
- 論理的思考は「台本を細分化して情報を得る」
- 感覚的思考は「何度も選択し結果を出す」
この二つの大きな違いは「結果の数」です。
論理的思考では、結果は一つです。
感覚的思考では、結果は上記しただけでも384通りです。
効率の良さだけで考えれば、論理的思考の圧勝です。
ですが、対応力の高さは、感覚的思考の圧勝です。
また、論理的思考の方が無駄がないが、感覚的思考の方が取りこぼさない。
必要条件と十分条件の関係性と似ていますね。
ここで言えるのは、やはりどちらも大事ということです。
そこから考えて、「ではどちらから身に付けていきますか?」というところで、自分の得意を知ってそこからやっていくのが効率がいいですよね。
いよいよ、次回のその検査方法を紹介していこうと思いますので、お楽しみに。
ではまた。
RinDa