呼吸でメンタルトレーニング
どうも、RinDaです。
今回は「呼吸でメンタルトレーニング」をテーマに「めい想」を取り扱っていこうと思います。
「めい想」と言ってもいくつか種類があるのですが、その根本には呼吸があります。
呼吸は「意識と無意識をつなぐ扉の鍵」だといわれており、自制心や恐怖心(緊張感)などメンタルをコントロールするためにとても有効的です。
特に感情表現を商売道具とする声優にとっては、発声法にもつながるし、感覚を研ぎ澄ますためにもとても大事な要素となります。
「めい想」を会得して、呼吸のコントロールとメンタルのコントロールの仕方を覚えていきましょう。
目次
「めい想」を覚える二つのメリット
めい想で得られるメリットは大きく二つです。
- メンタルコントロール
- マインドフルネスの獲得
メンタルコントロール
呼吸を乱せば心拍数が上がってメンタルも弱くなり、緊張が高まったり視野が狭くなってパフォーマンスが下がります。
呼吸が整っていると心拍数が下がりメンタルも落ち着きます。
リラックスした状態になることで、緊張感をやわらげ思考も柔軟になり、パフォーマンスも上がると思います。
つまり、呼吸を乱すことで体が緊張状態にさせ、呼吸を整えることで体をリラックスさせることができるということです。
呼吸を通じてメンタルをコントロールできるのです。
マインドフルネス状態
呼吸を整えると体をリラックスさせることができるとお伝えしましたが、体をリラックスさせることはもう一つ大きな効能を引き起こします。
それが「マインドフルネス」と言われる集中力の高い状態です。
他の言い方をすると「没頭する」「フロー/ゾーンに入る」といった感じです。
集中するとパフォーマンスが向上するのは皆さんも知っていることだと思いますが、それ以上に集中することには意味があります。
それが「モノの価値を感じられる」ということ。
ここで言う価値はお金のことではなく、「その本質や存在のありがたさ」というべきでしょうか。
例えば、自然あふれる渓流を訪れ、思わず深呼吸をする。
すると「空気に味がある…!」ということに気づく。
なぜかというと、実際にマイナスイオンが溢れているというのもありますが、忙しい日常から切り離されたリラックス効果が、「空気を味わう」という行動をさせているから。
リラックス効果によって「空気」に集中することができているからです。
集中することで、「当たり前にあるモノの価値がわかる」
これがマインドフルネスを獲得する意味です。
これがあれば、高級料理がなぜ高級なのか。働くことがなぜ楽しいのか。親をなぜ敬うのか。友達がなぜ大切なのか。
そういう通説がなぜ語られているのかがわかると思います。
そうすれば、キャラクターがなぜこのセリフを口にしたのか、役者はどのようにこのセリフを言わなければならないのかも分かってくると思います。
「めい想」の解説
めい想の大枠
さて、本題の「めい想」です。
ざっくり言えば「座禅」をライトにしたイメージでいいと思います。
方法はさまざまですが、タイマーを5分~60分程度でセットして、何も考えず何もせずじっとしていることがスタンダードだと言えます。
姿勢は骨盤を立てて胸を張り姿勢を正せればができれば、座っていても立っていても、寝ていても大丈夫です。
ちなみに座禅を組むと自然と骨盤が立ち、姿勢が良くなります。
逆に体育座りや長座などは、めい想向きの姿勢とは言えないですね。
正座や直立もいいですが長時間となるときつくなるので、座禅かあぐら、仰向けの状態がオススメです。
姿勢が正せたら、ゆっくりと呼吸をしていきます。
なるべくゆっくり静かな呼吸ができて、心が静まっていくのが感じられればベストです。
最近ではめい想中の状態を測るアプリやスマートウォッチなどの機能もあるみたいなので興味のある方は見てみるといいかもしれませんね。
「めい想」最大のデメリット
メンタルコントロールやマインドフルネスに高い効果を示す「めい想」ですが、それを実現するまでに大きな壁があります。
それが「効果を感じるまでに時間がかかる」ということ。
それもそのはず。
めい想の効果を実感するためには「マインドフルネス」が必要なのです。
なので、挫折する方が非常に多い。
ですが、皆さんにどうしても「めい想」の良さを知ってもらいたいので、私が実践しているめい想の練習メニューをいくつかご紹介したいと思います。
どれも私が実践して続けやすかったものや、覚えておくとお得なめい想なので、皆さんもぜひ挑戦して頂きたいです。
①マインドフルネスめい想(呼吸)
マインドフルネスめい想は主に五感を使っためい想です。
一番簡単なものだと「よく噛んで食事する」とかですね。
味覚と嗅覚は強力な感覚でわかりやすいのですが、適応範囲が限定的なので、練習するなら視覚や聴覚、触覚を使ってやってみましょう。
今回は「触覚」をつかって「呼吸」を感じる方法を紹介します。
まずは解説した通り姿勢を正してください。
そして、以下の三つ手順で進めていきます。
- 8カウントで吸って、8カウントで吐く
必ず鼻から吸って、口で吐くようにして、この時に鼻と口の粘膜に触れる空気の温度に集中してください。吸う息は冷たく、吐く息は温かいはずなのでそれをしっかり感じましょう。 - 6カウントで吸って、2カウントで吐く
今回は全て口で行い肺式呼吸を多めに使いましょう。この時、特に吸う時に胸にかかる圧力が強くなっていくと思いますのでそれを感じましょう。頭に血が昇るような感覚もあると思います。やり過ぎて過呼吸にならない様に気をつけましょう。 - 4カウントで吸って、12カウントで吐く
今回は全て鼻で行い腹式呼吸を意識しましょう。今度は胸にあった圧力が息を吐くごとに手足の先に流れていきます。頭に上っていた血もゆっくり下の方へ下がって、心拍がゆっくりになっていくのを感じましょう。
以上の手順で、3セットやったら次へ、という形でやってみましょう。
大切なのは2の行程で心拍が上がり緊張状態になっていることと、3の行程で心拍が下がっていきリラックス状態になっていることです。
これを繰り返し練習していくことで、体に「呼吸でメンタルコントロールができるんだ」と覚えさせていきましょう。
②マインドフルネスめい想(聴覚)
①よりも短い時間でできるめい想法、慣れれば電車の中や授業中でもできるようになります。できれば、静かなところよりも音が溢れている場所の方がいいかもしれません。
手順は以下の通り
- 基本は①の手順1と同じです。
3セットぐらい行って呼吸が整ったのを感じたら次の手順にいきましょう - 自分の心拍に注目する
胸や手首、首元に手を触れず聴覚だけで自分の心音をとらえてください。最初は明確にとらえられないかもしれませんが「たぶんこんな感じ?」というイメージでも大丈夫です。 - 周りの音を判別する
心音に感じてきたら周りの音が聞こえなくなってきた頃合いを見計らって、意識を周りの音に向けます。そして、その時に聞こえる音をできる限り全ての音を聴き取りましょう。1分ぐらい経つか、全ての音を判別し終えたら、答え合わせをしてみて下さい。メモを取ったり、友人と一緒にやるとゲーム性が出て面白いと思います。
以上が手順です。
耳は鍛えると、効果範囲を広くしたり、聴きたい音だけを聴くという能力も育ってくるので、なにかと便利です。
声優としては是非とも向上したい能力だと思います。
③ボディスキャンめい想
こちらは仰向け推奨です。体がまっすぐ伸びた状態が望ましく、効果が出た場合眠くなるので立ってやると危ないかもしれません。
方法は至って簡単です。
①の手順1の呼吸、もしくはよりゆっくりとした呼吸をしながら、体の部位に意識を集中させます。つま先から順番に行うのがわかりやすいと思います。
意識した部位は、徐々にドクンドクンと血の流れを感じたり、ジーンとした痺れのようなものが感じられると思います。
それが感じられたら、つま先からかかと、足首、ふくらはぎ、膝関節、太もも、股関節、腰、腹、みぞおち、背中、肺、胸、肩、二の腕、肘関節、腕、手首、手の平、指先、首、口腔、鼻腔、耳、眼球、頭…という感じで同じようにしていきます。
最初は関節と腹と胸、頭とざっくりと分けた方がいいと思います。
もっとも、頭につく頃には寝落ちしているケースが多いと思います。
スキマ時間に行うなら10分くらいでタイマーをセットしておくといいですね。
番外:4-7-8呼吸法
めい想ではないのですが、睡眠導入に非常に便利なのでご紹介したいと思います。
4-7-8とは秒数を示しています。
息を吸うのが4秒、息を止めるのが7秒、息を吐くのが8秒です。
少し慣れが必要ですが、これを繰り返していくうちにまどろみ始めることができます。
コツは血の巡りをイメージすることです。
息を吸った時に胸元に血を集めるイメージで息を吸って、止めた時に流れをせき止めます。
止めるだけ圧力のかかった血流が、息を吐いたときにゆっくりと末端まで巡っていくのをしっかりと感じてください。
これをすることでボディスキャンめい想と同じような状態になり、副交感神経を刺激して睡眠を誘導できます。
効果には個人差が出ますが、非常におススメです。
まとめ
- めい想で得られるメリットは2つ
- メンタルをコントロールできる
- マインドフルネス状態を獲得できる
- めい想には呼吸と姿勢が大切
呼吸を操作するのに夢中になり過ぎると、過呼吸や酸欠などを起こすことがあるので、体調や周りの安全に十分気を付けてください。
めい想を使って呼吸をマスターすれば、メンタルをコントロールしてパフォーマンスを向上させることができます。
そして、そもそも呼吸をコントロールすることが演技をする上でとても大切なことになりますので、覚えておいて損はないと思います。
ぜひお試し下さい。
ではまた。
RinDa