台本を分解してみよう
どうも、RinDaです。
今回は「台本を分解してみよう」ということで
30分アニメの台本を分解して、それぞれのパーツごとの解説をしていこうと思います。
前々回の記事で文章を分解することで意味を把握して、早口になるのを予防できますという内容を紹介しました。
ですが、ここでご紹介した以外にもいろいろご紹介したいので、まずは分類だけを事前にお伝えしたいと思い、記事にさせていただきました。
一部、独自の分け方・名称をありますのでご了承ください。
近いうちに、私なりの歌のレクチャーも記事にしていきたいので、是非知識として今回の内容を入れてほしいと思っています。
では、「台本を分解してみよう」
参りましょう。
目次
Aパート・Bパート
まずはザックリ大きくCMを挟んで前半を「Aパート」、後半を「Bパート」と分けます。
これは業界的に共通した言い方で、収録もAとBで分けて行われますので覚えておくといいと思います。
作品によってはAパートとOPの前の「アバン」があってり、BパートとEDの後に「Cパート」があったりする場合があります。
なので、一番多い分かれ方で
【アバン(OP)Aパート(CM)Bパート(ED)Cパート】
となります。
チェックの際に気を付けなければならないのは、セリフに対して「始まり」と「終わり」と「つなぎ」の意味合いが生まれるということです。
やはり、「その回の始まりの第一声」や「つなぎのセリフ」、「仕切り直しのセリフ」や「締めの一言」というのはそれだけで存在感が生まれてしまうので、それなりの完成度を作らなければなりません。
もし、担当するのであれば気を付けてください。
シーン
AパートとBパートをさらに分けるとするなら「シーン」でしょう。
よく耳にする名前だと思います。
基準としては「場面転換(場転)するまでの間」という認識だといいと思います。
場所や登場人物が変わる度にシーンが変わっていき、変わる度に空気も一緒に変わっています。
ですので、プランを立てる際にその変化の内容を確認しておかないと、空気感を崩しかねないので気をつけましょう。
話題
これはあまり公的には話に上がらない分類だと思います。
同じシーンでも話題の中心人物や内容が変わることによって、会話の熱量や雰囲気が微妙に変わりますので、そういった変化を演技に反映させられるといいなと思います。
カット
「シーン内でのカメラの切り替え」を起点に分けられる分類です。
映像作品の台本は基本的にカット番号が振られており、現場で「カット20の○○のセリフなんですけど~」というような言い方をされることがよくあります。
基本的にはカメラが切り替わるまでは、カメラが動いていても同じカットとして扱われますが、中には「24a/24b」というように分けられている場合もあります。
演技をする上で気を付けるべき点は二つあります。
まずは、カットごとに「ト書き」が振られています。
「ト書き」 とは、キャラクターの動きの指示のことです。
ちなみに、名前の由来は歌舞伎の台本にて、舞台上での動きの指示を書き記した文の頭に「ト」の文字を書いていたかららしいです。
「○○が立ち上がり駆け出す」というような感じの指示がカットごとに書かれていたり、いなかったりします。
この場合は「立ち上がる音と駆け出す音を映像と合うようにセリフに入れてください」という指示内容になります。
もう一つが「カメラの指示」です。
カットごとのカメラの動きや映っているキャラの状態が台本に記されています。
ト書きとして書かれている場合もありますが、別ものと考えた方が良いと思います。
例えば、「○○を背後から俯瞰で」というような指示がある場合どういうことかというと、「キャラの口パクがないので、カットに収まるようなタイムでセリフを入れてください」ということ。(セリフの「」の上に「(off)」と入っている場合もある)
中には「カメラ背後から回り込んでくる」という感じで、口パクがない状態から口パクのある状態に変化する場合もあります。
その時はよく映像をチェックしておきましょう。
セリフ
カット内に表記されているキャラクターのセリフのことです。
たまにカットをまたいでいる場合もあります。
これは説明は不要だと思います。
ここからこの記事では少し独自の解釈で、セリフをさらに細かく分解していこうと思います。
間
セリフ内にある「間」の表現は「…」や「、」などの記号があったり、スペースが開いていたりする場合がほとんどですが、ない場合もあるので気を付けてください。
ここで考えなければならないのは「ブレス(息継ぎ)」です。
間が空いているからといってブレスをしていいわけではありません。
空気は繊細なものなので、無闇に変えてしまうとセリフの雰囲気を損なう場合があるので注意が必要です。
そこにブレスが必要かどうかはそのつど考えましょう。
文節
これは先程紹介した過去の記事内で解説をしたものです。
文節とは「言葉の意味が通らない品詞が出ない区切った状態」のことです。
「大きなレンガの煙突のある屋敷に用事がある」という文章の場合
「大きな/レンガの/煙突の/ある/屋敷に/用事が/ある」となります。
正直、この文節という分類がセリフを考える上でトップクラスに重要なので、今後私の記事を読んで頂けるつもりの方は、是非とも覚えて頂きたいです。
音節
果たして今から説明するものを一般的に「音節」と呼ぶのが正しいのかはわかりませんが、このブログ内では今後「音節」と表記をさせて頂こうと思っています。
音節の定義は「母音を含む読みの文字の2~3文字の集まり」のことです。
「大きなレンガの煙突のある屋敷に用事がある」の場合
「おおきな/れんがの/えんとつの/ある/やし/きに/ようじが/ある」となります。
「おおきな」と「ようじが」については長音を含むので読みとしては「おーきな」「よーじが」と3文字の集まりになります。
また「れんがの」「えんとつの」に関して、「ん」は母音を含まないので3文字の集まりとなります。
さらに「えんとつの」は無声化を含んでいるので5文字で1音節にできます。
一部例外的に1文字で区切る場合があります。
例えば「お・だ・ま・り!」という感じの怒りのニュアンスを出す表現の時は1文字で1音節と認識する場合もあります。
この音節の分類は、演技において重要な分類である上に、歌を歌うことにおいてとても大切な考え方になります。
この音節が理解できていれば、高音で声が裏返ってしまう現象を減らすことができるので、歌が上手くなりたい方は覚えておくといいと思います。
有声音
これは「母音を含む文字の音」のことを言います。
ホントは音節の単位のはずなのですが、長音の解釈があいまいになってしまうと思い、先ほどのような表現をしました。
演技の上では、言葉の核となるもので発声練習で扱われる50音がほとんどこの分類に属します。
これら一つ一つをハッキリ言えることが滑舌の目的であるとも言えます。
この重要性は説く必要もないと思います。
無声音(感嘆詞)
最後に紹介するのが無声音です。
簡単に説明すると「子音字のみで作られた音」ですね。
台本上に表記されることはありませんが、「母音の̥無声化」が適応される文章が出てくるとひょっこり顔を出します。
それ以上に大事なのが「感嘆詞」としての扱いです。
無声音にニュアンスを乗せることで「感嘆詞」と聞き手に認識させることができます。
これが出来るのと出来ないのとで、「演技の上手さ」が判断できるくらいには重要な要素です。
是非覚えて勉強してもらいたいです。
まとめ
ザっと説明するとこんな感じです。
聞いたことあるものやないもの。
知っていたものや知らなかったもの。
色々あると思いますが、この分類がわかるだけで、色んなことに気づける人間が少なからずいると思います。
少しでも興味を持ったら、是非セリフを口にする前に台本を分解してみるといいと思います。
また歌のレクチャーを踏まえた演技記事を書いていくので、「音節」だけでも覚えて頂けると嬉しいです。
ではまた。
RinDa